日本建築お悩み相談主催「家づくり勉強会」に参加してきた

日本建築お悩み相談主催「家づくり勉強会」に参加してきた

日本建築お悩み相談が主催する「家づくり勉強会」に参加してきたので、学んだことを整理する

講演された方について

お話を聞いたのは、

NPO法人 日本建築お悩み相談 理事長の笹川晋也さん。

株式会社エーティーエム建築 代表取締役会長も兼任し、
https://atm-koumuten.jp/

ならどっとfmの金曜(第2、3、4週)のお昼12時にラジオパーソナリティをされたり、こんな本も執筆されている。

まだ家は建てるな!―この本を読んでから… 

今回の勉強会は、午前の部と午後の部があったのだが、私は午後の部だけ参加した。

アジェンダ

午前の部(2時間)

  • 不動産業者とのつきあい方は?
  • 土地探しで成功する3つの方法
  • 現地で見るべきポイントは?
  • 契約までにはっきりさせておくべきことは?

午後の部(2時間)

  • 家づくりの正しい進め方
  • 正しい住宅会社の選び方
  • 太陽光発電や床暖房より大切なことは?!
  • 地震に強い家とは・・・・・

 

地震に強い家とは

明治以降、死者1,000人以上を出した巨大地震は、10年に1度発生しており、最近は、さらに短い周期で発生している。

イギリスは、取り壊した家の築年数が平均100年以上となっているのに、日本家屋は、28年ほどで取り壊しているという結果が出ている。

イギリスの家の方が丈夫で、長持ちするわけではなく、日本は地震による倒壊が多いから数値が低い。

阪神大震災では、地震発生から14分以内に92%が死亡したという分析結果が出ている。家の倒壊による窒息、焼死が原因だったとのこと。

地震に強い家を建てるということが日本では重要。

イギリスはレンガ造りが多いが、日本の場合は、レンガ造りよりも木造建築の方が地震に強い家になる。

在来木造の「ほぞ組」の接合部の場合、耐震等級3の家でも、接合部が折れてしまうことで倒壊してしまう。

昔の家は、ハリと柱が太く、柱の穴にハリを通していたが、現代の家は、ハリと柱が同じサイズになっている。これが弱くなる問題でもある。

地震に強い家にするには、耐震等級3かつ断面欠損が少ない接合部(ラーメン構造)にすることが大事

 

家を建て替える理由

  • 大地震で倒壊した
  • 間取りが古い
  • 寒暖差などの問題で過ごしにくい、など

これらすべて、構造が問題とのこと。

スケルトン(骨組み)&インフィル(内装)の手法で、家を考えることで、地震に強く、間取りの変更が柔軟な家にすることができる。

スケルトン(骨組み)&インフィル(内装)とは、家の外側の骨組みをしっかりと作って、中の壁やドアはパーティションのように自在に調整ができるような構造をもたせる手法。

出典:日本住宅パネル工業協同組合ホームページ「SI住宅」

既にマンションでは一般化されているが、戸建でも少しずつ進んできている。

構造計算と壁量計算の違い

現在の建築基準法は、2階建ての一般的な木造建築の場合、構造計算をせず、壁量計算のみで家を建てることができる。

構造計算を行うと、どれくらいの力に耐えられるかが数値でわかる。

壁量計算の場合は、柱の本数は仕様規定で決まっているが、どのように組むかまでは規定されていない

仕様規定は年々変更がされており、今の規定で家を建てても、数年後には違反建築扱いになってしまう恐れがある。

昭和56年6月1日以前の旧耐震基準と昭和56年6月1日以降の新耐震基準で、新耐震基準なら安心という雰囲気があるが、仕様規定の変更により、柱の本数が増えただけで、それ以外は何も変わっていないとのこと。

 

長期優良住宅にして、家を資産にする

住宅の長寿命化を推進し、資産価値の高い家づくりの指針として考えられた。

認定されると、住宅の履歴書がもらえる。

長期優良住宅にするには、以下の基準をクリアしないといけない。

  • 耐久性
    →劣化対策等級3
  • 耐震性
    →耐震等級2 >> 3が望ましい
  • 維持管理の容易性
    →維持管理対策等級3
  • 長期に利用される構造躯体において対応しておくべき性能
    →省エネルギー対策等級4、高齢者などへの配慮
  • 変化に対応できる空間の確保
    居住面積75㎡以上、床面積40㎡以上
  • 計画的な維持保全
    定期的な点検・補修等に関する計画策定、点検履歴の蓄積
  • 住環境への配慮
    地方公共団体が行う各種規制・誘導規制の遵守

 

快適な家にするには

断熱性に優れた家は、体感温度もアップし、健康的に過ごすことができる。
そして、ヒートショックの危機から守ってくれる。

省エネ基準では、断熱性能、日射遮蔽性能、平均日射熱取得率(UA値)、熱損失係数(Q値)、相当すき間面積(C値)などの基準が設けられている。

  • 平均日射熱取得率(UA値)は、外皮平均熱貫流率とも書かれている記事もあったが、どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのかを示す数値。
  • 熱損失係数(Q値)は、どれくらい熱が逃げにくい家なのかを示す数値。
  • 相当すき間面積(C値)は、どれくらい家にすき間があるのかを示す数値。
    1平方メートルあたりに存在するすき間の面積を示している。

奈良の場合、UA値:0.4、Q値:1.4、C値:1以下ぐらいが良いとのこと。
UA値:0.2まで下げると、フルも夏も暖かい家になってしまう。

外張り断熱は、断熱材が燃えやすいものだと危ない。

パッシブデザインによる、家づくりが大事

  

まとめ

家づくりの正しい進め方

家の知識をつけてから家づくりをしなさいということ

「知らない」ということは実に恐ろしいことなんだ
逆に「知る」ということ・・・
その知識や情報は幸せをもたらす強力な武器だということだ

引用:ドラゴン桜

正しい住宅会社の選び方

  • 壁量計算ではなく、構造計算をしてくれる会社
  • 耐震等級3の家を建てることができる会社
  • 断面欠損の少ない接合部の木造建築ができる会社
  • 長期優良住宅を建てることができる会社
  • パッシブデザインを考えた家づくりができる会社
  • スケルトン&インフィル手法で家づくりができる会社

太陽光発電や床暖房より大切なことは?

断熱性に優れた家。一年中、家全体の室温を一定に保つことができる家にすることが大切。

地震に強い家とは・・・・・

  • 構造計算の上で耐震等級3をクリアする家
  • スケルトン&インフィル手法による家

 

参考

  • BELS(Building Energy-efficiency Labelling System)(要調査)
    建築物省エネルギー性能表示制度が2014年から開始している。
  • マイホーム借上げ制度(要調査)
    一般社団法人 移住・住みかえ支援機構が実施しているもので、
    家を貸すことで金利0.2%が毎年もらえ、資産価値の高い家にすることができるそう。
  • 地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和2年度版)
    http://www.j-reform.com/reform-support/
    地方公共団体で実施している支援制度などが確認できる。

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